かつらには、頭全体をすっぽりと覆う「全頭かつら」と、頭の一部をカバーする「部分かつら」があります。それぞれの用途や固定方法、かかる費用などをご説明します。
全頭かつらは脱毛部分が広い人に適したかつら
全頭かつらは、頭部全体をすっぽりと覆うタイプのかつらです。薄毛の進行により脱毛している部分が広くなっている方に適しています。また、病気治療による副作用で脱毛している方や、円形脱毛症の方などにも、全頭かつらは多く使われています。
部分かつらは、頭の一部分しかカバーできないため、脱毛が進んだ際には買い替えたり、全頭かつらへ移行しなければなりません。
その点、全頭かつらなら頭部全体をカバーすることができますし、この先脱毛が進んでも買い替えの心配はありません。一方で、装着範囲が広く通気性が悪いため、むれやすく、薄毛が進行しやすいというデメリットもあります。
装着方法はピンやクリップ、またはテープや接着剤
装着方法はピンやクリップで止めるのが一般的です。他には、脱毛部分とかつらのベース部分をテープや接着剤で固定する方法もあります。部分かつらよりも接着面積が広いため固定しやすく、ずれたり、外れてしまうといった心配も少なくなります。
費用は部分かつらよりも高価になる
本体価格は、ブランドや品質の良し悪しによって大きく変わるため、一概には言えませんが、一般的には部分かつらよりも高価です。セミオーダー品であれば130,000円以上、オーダーメイド品であれば180,000円以上、というのがおおよその相場と言えるでしょう。
その他にも、定期的に店に持ち込んで行うメンテナンス代、専用のシャンプーとトリートメント代など、購入後も維持費用がかかります。
人毛は自然な仕上がりだが高価
また、全頭かつらも部分かつらも、使われている素材が人毛のものと人工毛のものがあります。
全頭かつらの場合、人工毛だとツヤが目立ち不自然に見えることがよくあります。人毛で作られたものを使用するか、せめて人毛と人工毛がミックスされたものを選びたいところです。
しかし、当然ながら、人毛は人工毛よりも高価なため費用はさらにかさんでしまいます。
部分かつらは部分的に脱毛している人に適したかつら
部分かつらは、全体を覆う全頭かつらとは違い、部分的に薄くなっている箇所に装着するかつらです。年齢とともに薄毛になりやすい頭頂部、つむじ部分、前髪、生え際などをカバーするのに、多く使用されています。
特に女性の場合は、頭部全体が脱毛するよりも部分的に薄くなるケースが多いため、部分かつらは女性用の取り揃えが豊富です。
全頭かつらに比べて、手軽につけ外しができ、通気性がよく、装着感も軽いです。また地毛に馴染みやすいので、色や光沢、白髪の混じり具合など、地毛との差が少ない商品を選ぶことで、見た目も自然に仕上がります。ただし、使用感が出てきたら、ツヤ消しを使用するなど、定期的な調整は必要です。
また、薄毛が進行し脱毛範囲が広がってしまった場合には、新しく作り直したり、全頭かつらに変更する必要が出てくる可能性はあります。
装着法はピンやクリップで止めるものがほとんど
装着方法は、くし状になったピンやクリップなどで固定するものがほとんどで、簡単につけ外しができます。しかし、接着面積が狭いため、全頭かつらに比べるとずれやすいので注意が必要です。
費用は全頭かつらよりも安価になる
こちらもブランドや品質の良し悪しによって変動しますが、セミオーダー品で50,000~120,000円、オーダーメイド品で120,000~150,000円程度がおおよその相場となっており、一般的には全頭かつらよりも安く済みます。
以上、全頭かつらと部分かつらの違いをご説明しました。脱毛状況や、予算に合わせて自分に適したかつらを選びましょう。